<国際野蚕学会 日本野蚕学会 会長 赤井弘様> 応援メッセージ

今日は、皆さん。
1991年にインドネシアで初めて黄金繭(学名、クリキュラ)に出会い、その繭の素晴らしい黄金の輝きにひかれ、クリキュラとの長い付き合いが始まりました。
ジョグジャカルタの街角で、葉が食べ尽くされ黄金繭が鈴なりの、繭の花咲く木を見ました。
この黄金繭から、きれいなハンドバックや軟らかな布ができます。この糸は軟らかく、電子顕微鏡で見ると無数の小孔を含む多孔性の繭糸で、UVカット機能に優れた健康にも良い素晴らしい素材であることが分かりました。
黄金繭を作るクリキュラは、アボガド、カシューナッツ、その他数種の葉を食べる有名な害虫でもありますが、一方高品位なシルクを生産します。現地では果物より市場性の高いシルクとなり、シルク地場産業の成長も進行しています。
今回の『ジョグジャカルタでの植樹』は、現地の人々の雇用促進でもあり、 地場産業の育成でもあり、高品位なシルクの産出でもあり、そのシルクを生み出す クリキュラの養蚕でもあり、植樹を行うことによって今盛んに言われている”CO2”の 抑制にもつながる壮大なプロジェクトです。
地球温暖化防止のために、安心して暮らせる世の中を作るために 私も微力ながら応援・協力を行っていきます。
皆さん、植樹を始めましょう。緑を広め外貨を稼ぐ貴重な繭をより多く作るために。かっての害虫を無農薬で新しいシルク素材に変え、地球上の各地に、より広く。人類の滅亡に繋がる地球温暖化を防ぐためにも。微々たる力ながら、その広がりを信じて。
皆さんもぜひご賛同ください。地球のために、未来のために。

国際野蚕学会 日本野蚕学会
会長 赤井 弘




赤井 弘 様プロフィール

肩書:
国際野蚕学会 会長
日本野蚕学会 会長
東京農業大学 教授

研究:
電子顕微鏡からスタートし、昆虫細胞の特性、絹タンパク質の生成機構を解明。シルクの特性と利活用に繋がる諸研究を、農水省蚕糸試験場、蚕糸昆虫研究所、米国ウェスタンリザーブ大学、ならびに東京農業大学で続けてきた。

主な著書:
昆虫超微形態額(東大出版)
昆虫の表面構造(東大出版)
Insect ultrastructure 1and2(Plenum,NewYork)
天蚕(サイエンスハウス)
他 多数

主な受賞:
日本蚕糸学会賞(1977)
日本農学賞(1986)
読売農学賞(1986)
永井特別賞(1989)
メンデル記念賞(チェコ、1993)
蚕糸功績賞(大日本蚕糸会、2007)
他 多数

主な業績:
  1. カイコほか絹糸昆虫の細胞特性と機能を電顕的解明。
  2. 絹糸細胞胞内における絹タンパク質合成と分泌、繭糸形成の機構解明。
  3. 各種絹糸昆虫の繭糸特性を明らかにし、特に多孔性繭糸の特性と利用価値(UVカット、抗菌性、絹糸光沢など)を実証。
  4. 昆虫ホルモン(幼若ホルモン、脱皮ホルモン、抗幼若ホルモン)の絹糸昆虫に対する作用機作を解明、実用化に成功。一例として、カイコの同一品種から巨大な繭から極小の繭まで自由に作ることを可能にした。(3眠化、2眼化などによる)